持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

2010-01-01から1年間の記事一覧

冬期講習と個別指導

冬期講習 予備校の冬期講習は、高1と高2の講座を担当している。高1は下位クラスの担当であるため、中学レベルの文法事項を確認しながら大学入試レベルの英語の読み書きへの準備となるように導いていく。文法項目としては従属節を扱っている。関係詞にせよ…

ゼミ発表資料

2010年12月17日にゼミで発表した資料を転載します*1。やや荒削りの部分がありますが、そのあたり今後練り直していきたいと考えてます。 教育文法の概念 コミュニケーション能力と文法能力 教育文法の概念を明らかにしていくまえに、コミュニケーション能力全…

ようやく・・・

ゆっくりと・・・ ようやく、ご指導していただいている先生方や、院生の仲間に自分の研究が目ざしているところが理解されるようになってきた気がする。もっと、自分に表現力や説得力があれば、もっと早く理解してもらえたのかもしれない。それでも最悪の場合…

学会○○○

「ゲームセンター○○○」 共通する3文字を答えなさいという空所補充問題である。大学院の授業を担当しているある教員が授業で、「学会発表では参加者が共有できる問題提起をすることが大切である」という趣旨のことを仰っていた。極めて重要なことだと思う。…

ゼミ発表資料

2010年11月19日にゼミで発表した資料を転載します*1。前期末の7月22日のMD合同発表会以降、久しぶりの本格的なゼミ発表となりました。このため、8月30日の自主ゼミや10月1日のゼミでの、まとめかけの発表内容をもう一度捉え直し、前期発表分を含め修士論文の…

時間の使い方

院生は学生なのだ 院生は学生なのだと思うことがある。悪い意味での「学生」である。そのことはブログの更新ができていないことと密接な関係がある。院生になると、時間の使い方がルーズになるのだ。去年の今ごろは50分換算で35コマを毎週こなし、それに加え…

まもなく後期授業開始

1か月のご無沙汰 前回の更新から1か月。あっという間だった。仕事以外の動きをいくつか書いていきたいと思う。まず8月28日に「翻訳通信」東京セミナーに参加した。翻訳者の山岡洋一さんの講演で、教養教育としての翻訳教育の可能性など、興味深い話が聞…

研究に休みはない

休んでました 夏期講習が立て込んでいる時期と、図書館の休館期間が重なったこともあり、その間は研究をほとんど進めていなかった。夏の仕事が一段落した今、研究を再開する時期となった。前期の合同発表会で浮き彫りとなった問題点の再把握とその解決を図っ…

夏期講習終了

とりあえず終了 出講先の予備校ではまだまだ夏期講習が続いているが、私の担当する講座はすべて終了した。今回は高1・2の講座であったが、中学から身につけてきた言語知識を確認・再構築し、大学入試レベルの読み書きの基礎として活用できるようにするとい…

夏期講習は続く

文法は基礎なわけだが・・・ 日常生活で英語を使用することが皆無である状況で英語を学ばなければならない。しかし、学習者はまだ中等教育課程にあり、高等教育を受けるにあたって、「大人の英語」の洗練を受けなければならない。そうした状況のもとでは文法…

優先順位

だって、生きていかなきゃならないんだもん 優先順位というのは、大切なことである。今の私にとって、修論研究と仕事が同列で最重要である。修論研究は自分の将来を戦略的に考えていくうえで必要である。しかし、同時に仕事も今の自分を考えていくうえで必要…

やるきなさげ

やってません お盆の時期になると、大学の図書館が閉まる。これがどうしても理解できない。高い学費を払って大学に通っているのに、なぜ長期休館によって不便な思いをしなければいけないのか。こうしたことをするのであれば、なぜ閉めなければいけないのかを…

夏期講習のこと

英文理解のための基礎知識 今年度は、出講先の予備校の夏期講習で、高1と高2の講座を担当することになっている。 予備校の読解の授業では、通常授業から読解文法に習熟することに主眼を置いている。分かりやすい言い方をすれば語順であり、語順を支える規…

前期(ほぼ)終了なう。

合同発表会を終えて 私の所属している研究室では学期末に修士課程と博士後期課程との合同発表会を行うことになっている。修士1年の場合、通常のゼミでは他の学年のゼミ生は参加しないため、内輪で議論をしていくのだが、合同発表会では複学年での議論が展開…

合同発表会発表資料(抜粋)

7月23日に行われた、早稲田大学大学院教育学研究科国語教育専攻・町田研究室のMD合同発表会で発表したときの資料を掲載いたします。今回はこれまでの研究を博士後期課程の方々に報告する意味あいもあったため、ブログへの掲載にあたっては過去に掲載した部分…

ある仕事のこと

ほぼゼロからの出発 10年以上続けているある仕事のこと。私より前からその仕事に就いている人はいたが、解法とか学習法ということを体系的に纏め上げたものはなかった。ただ読んで訳して答え合わせをして、の繰り返しの授業だったようだ。そこで私は限られた…

文献のこと、環境のこと

紀要を器用に読む 大学院に入って、修論に向けた研究を進めていくなかで、先行研究に触れていくことは当然ながら重要なことである。読むべき文献の情報を収集していくと、これまであまり引用されていないような文献の存在に気づくことがある。その多くが紀要…

相対化するということ

ある授業での余談から ある授業での余談。日本の学問分野は細分化・精緻化してきたという話になった。それはそれで大切なことではあるが、同時に学会の中で語られていることを疑ってみることも必要であるという話になった。素朴な疑問が学問を動かすのだとの…

研究テーマなど

研究テーマ このブログでは、ゼミで発表した後に発表資料を公開している。その理由はより多くの人に自分の研究の進捗状況をご覧になっていただきたいということと、生臭い話しで恐縮だが、自分の著作物であることを研究室内外に知らしめることの2点による。…

ゼミ発表資料

2010年7月2日にゼミ*1で発表した資料を転載します。 メタ言語能力と文法教育 文法教育の目的:橋本進吉と時枝誠記 国語科における文法教育の目的は、古典文法(文語文法)と現代語文法(口語文法)で異なる。古典文法教育の目的は古文解釈のためという一点に…

先行研究と、M1ということ

読んで、読んで、読みまくる 文系の学問領域において、文献研究は非常に重要と言える。文献を読むことで、先行研究にあたることができるわけだ。私がやっている分野は比較的先行研究が少ないと言われたのだが、それでも次から次へと、読まなければならない文…

授業を受けるか独学か

予備校の授業 予備校の英語の授業は、知識や技術の伝達・意識化というかたちで行われるのが一般的である。座学による知識や技能の習得は、教室で教師の指導を受けなくても、学習者が自宅などで教材を使って自習することも十分可能である。このため、予備校講…

独学の日々。

修士論文に向けた研究 修論執筆に向けた研究というのは、基本的に独学の上に成り立つ。私の場合、学部時代もその傾向があったので、決して新鮮なものでも戸惑うものでもない。ただ、学部時代は理論のさわりの部分を授業で学ぶことができたが、大学院にはその…

余計なこと

邪魔が多すぎ 大学院、特に修士課程というところは邪魔なことが多い。もっとも邪魔なのが授業である。なぜこうも、修論研究の邪魔をするのだろうか。学部の授業との差別化を図りたい先生方の思惑も分からないわけではない。だが、本来逆であろう。比較的暇な…

理論?

学習指導要領 教科教育学的な研究を行う際に、学習指導要領を参照することがある。これと完全に矛盾する実践を教室で行うのは現実的でないからだ。だが、学習指導要領を持ち出すことが教科教育の理論研究なのだと思いこんでいるような雰囲気がなくもない。 …

怨念

言語の恨みは恐ろしい 自分が英語ができないのは学校の英語教育が悪いからだという言説が流布している。パタンプラクティスをしよう。自分が漢字が読めないのは学校の国語教育が悪いからだ。自分が歌が上手に歌えないのは学校の音楽教育が悪いからだ。自分が…

文法がいっぱい

文献情報を収集して 現在、修論研究の一環で学校文法や文法教育に関する文献の情報を収集しているのだが、思いのほか読むべき文献が多いなという印象である。文法は国語教育の他の分野と比べて関心が低いと思っていたこともあるかもしれない。しかし、それだ…

管理する時間・支配される時間

ペースメーカーとしての大学院 昔、大学受験のときに予備校に通うのと、自宅浪人とを比べた場合に、勉強のペースを維持できるという理由で予備校に通うというケースが多かったように思う。現在では学力の勉強の仕方の見直しなど、受験勉強を再構築していく意…

国語教師と外国語

逃避の末なのか 謙遜なのか事実なのかわからないが、英語をやりたくないから国文専攻、みたいなことを耳にする。謙遜であって欲しいと思う。特に国語教師として教壇に立ったり、研究者として彼らの理論的支柱となろうという場合はそうあって欲しいと思う。母…

意識の壁

日本語教育のこと 昨日、大学図書館のサイトから日本語教育の概説書の蔵書検索をした。すると、日本語教育と言語習得研究との関連を扱う本が複数貸し出されていた。JSLやJFLの教育に関心がある人たちは、習得研究にも自然と関心が向くのであろう。同じ"JFL"…