持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

相対化するということ

ある授業での余談から

ある授業での余談。日本の学問分野は細分化・精緻化してきたという話になった。それはそれで大切なことではあるが、同時に学会の中で語られていることを疑ってみることも必要であるという話になった。素朴な疑問が学問を動かすのだとのこと。研究者として自立するには、指導教員を相対化しなければならず、指導教員の劣化コピーであってはならないという趣旨の話であった。
以前から、カリスマやバイブルでは研究も教育も成り立たないという認識でいたが、この日のこの授業での余談は余談とはいえ、非常に心強く胸に響いた。院生になっても、高校生のようにノートをきれいにとってそれを丸暗記みたいな学習法から脱却できない人も多いようである。だから無難な研究テーマで「研究」をすることになるのだろう。私のように初っ端から国語教育にもの申す!というようなスタンスの人間は異端も異端である。でも、言語力を引き上げる、この一点を貫くスタンスは、第一言語第二言語に関わらず言語教育に携わる多くの人に理解されるものと確信しながら、院生として、教師として過ごしているのだ。