持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「普通の訳読の授業」が持つ不思議な力

「英語I」や「英語II」は受験対策上、リーディングに特化する傾向がある。学習指導要領の改訂案はおそらくこの傾向を打破したいのであろう。しかし、二兎を追う者は一兎をも得ず。いわんや四兎をや、である。限られた授業時間のなかで4技能すべてが中途…

英語I

実は、退職することになった同僚の代講として、今週から1年生の授業を担当することになった。久しぶりの検定教科書を使った授業である。教科書に目を通しながら、あまり深入りしないでさらっと流そうと思っていたのだが、この時期に「英語を読む」という意…

高等学校・新学習指導要領案を考える(その5)

コミュニケーションと言語習得 今回の改訂案に一貫してみられることは、「コミュニケーション」により特化しているということである。ここでの問題点は、この案の作成者がコミュニケーションという概念をどう捉えているのかというコミュニケーション観ないし…

高等学校・新学習指導要領案を考える(その4)

言語材料の扱い 言語材料のうち、まずは語彙から見ていく。中学校学習指導要領では1,200後程度の語彙を扱うことになっている。「コミュニケーション英語I」ではこれに400語程度の新語を加えたものとなっている。ここまでで約1,600語である。これに続く「コミ…

高等学校・新学習指導要領案を考える(その3)

コミュニケーション英語I・II・III この科目は現行指導要領での「英語I」や「英語II」を継承したものである。「コミュニケーション」という言葉を用いているため「オーラルコミュニケーションI・II」を継承したものにも思えるが、文部科学省が資料として示し…

高等学校・新学習指導要領案を考える(その2)

コミュニケーション英語基礎 この科目の目標は、「英語を通じて、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことなどの基礎的な能力を養う。」となっている。また、内容面では中学校での学習と「…

高等学校・新学習指導要領案を考える(その1)

「新しい高校英語」の器 まずは第1章総則の第1章第2款から、外国語の科目と単位数について見ていく。 コミュニケーション英語基礎:2単位 コミュニケーション英語I:3単位 コミュニケーション英語II:4単位 コミュニケーション英語III:4単位 英語表…

新年のご挨拶

ご挨拶 皆様、あけましておめでとうございます。 本年もご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。 今年やること いったんは大学受験指導から完全に遠ざかっていた時期もありましたが、今年は大手予備校への出講を含め、本格的に復帰することにな…