高等学校・新学習指導要領案を考える(その4)
言語材料の扱い
言語材料のうち、まずは語彙から見ていく。中学校学習指導要領では1,200後程度の語彙を扱うことになっている。「コミュニケーション英語I」ではこれに400語程度の新語を加えたものとなっている。ここまでで約1,600語である。これに続く「コミュニケーション英語II」ではさらに700語程度の新語を加えたものとなり、合わせて2,300語となる。「コミュニケーション英語III」でも新語約700語を追加することになっているため、これで3,000語となる。この他の科目では新語の具体的な語数は示されておらず、「生徒の学習負担を踏まえた適切な語」とだけ示されている。連語や慣用表現についても具体的な数は示されていない。
次に文法である。いわゆる文型の意味で用いている「文構造」については「運用度の高いもの」とだけ示され、具体的な項目は示されていない。文構造以外の文法項目については、次の項目が挙げられている。
- 不定詞の用法
- 関係代名詞の用法
- 関係副詞の用法
- 助動詞の用法
- 代名詞のうち、itが名詞用法の句および節を指すもの
- 動詞の時制など
- 仮定法
- 分詞構文
これらの言語材料を用いるにあたって配慮すべき点として次のようなことが挙げられている。
- 現代の標準的英語によること。ただし、様々な英語が国際的に広くコミュニケーションの手段として使われている実態にも配慮すること。
- 文法については、コミュニケーションを支えるものであることを踏まえ、言語活動と効果的に関連づけて指導すること。
- コミュニケーションを行うために必要となる語句や文構造、文法事項などの取扱いについては、用語と用法の区別などの指導が中心とならないように配慮し、実際に活用できるように指導すること。
- 英語に関する各科目に関しては、その特質にかんがみ、生徒が英語に触れる機会を充実するとともに、授業を実際のコミュニケーションの場面とするため、授業は英語で行うことを基本とする。その際、生徒の理解の程度に応じた英語を用いるよう十分配慮するものとする。