持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

暮れのご挨拶

まずはお礼から いつもブログの拙稿をお読みいただき、ありがとうございます。acやedドメインからのアクセスが着実に増えており、「同業者」の方々にこのブログが根付きつつあることをうれしく思っております*1。 今年の反省 今年はPC本体やブラウザの不具…

日本語から学ぶ英文法を考える(続き)

導入のあり方 日本語との対比から英文法を学んでいく場合、国語教育の中で帰納的に国文法を学び、英語教育の中ではその国文法の知識に対応づける形で、ある程度演繹的に英文法を学ぶことができれば効率的であると思われる。しかし、国語教育でそのような文法…

日本語から学ぶ英文法を考える

文の構造 従来の学校文法では、文は主語(もしくは主部)と述語(もしくは述部)から成り立ち、述部の形式が大きく分けて5通りある、という考え方をとってきた。この枠組みでは、文の構造において主語、そして目的語を他の要素(副詞句)とは違う、特別な要…

教師のレディネスなど

今回は、論文調の文体ではなく、個人的な語りを・・・ まあ、ブログですから(笑) 日本語についての知識不足 前回までの学習国文法論のなかでときどき言及している森氏の論文に、文法教育の再構築が進まない要因の1つに「教師のレディネス」が挙げられてい…

学習国文法と学習英文法②

文法の位置づけを考える 学習英文法の内容を再点検するうえで、三宅(1978)はその留意点を挙げているが、そのうちの1つとして、英語教育全体の中で文法がなしうることとなしえないことを明確にしておく必要があることを指摘している。この留意点は日本人学習…

学習国文法と学習英文法①

前回のエントリーの反響が多かったので、それに関連する内容で展開していきます。 理論文法と学習文法の区別 全国大学国語教育学会(編)(1954: 61-62)には、「ことばのきまりの学習指導」に関して、次のような記述が見られる。 文法学は一つの体系を持った…

「英文法学習を潰す国文法」という問題

ちょっと古いアンケートから 愛原(1981)には、中学校の国語教師が生徒に対して行った、文法教育に関するアンケートの結果が引用されている。まず「ことばのきまり」についての学習、すなわち文法学習の好き嫌いに関する質問の回答が挙げられていて、3学年と…