持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

英語基礎:Sアカデミー「英語S」の背景(その21)

動詞イディオム 動詞の型を扱ううえで動詞イディオムをどのように扱うかは、学習者の状況によって違ってくる。最近の主流は動詞と前置詞や小辞のそれぞれの中核的意味の組み合わせからイディオムの意味を捉えようとするものである*1。しかし、実態はそう簡単…

英語基礎:Sアカデミー「英語S」の背景(その20)

天候や時を表す文 itがthisやthatと異なるものであることを確認してようやく天候を表す文の導入に移っていく。日本語には「…になる」という形で天候を表す言い方がある。これは季節の移り変わりにも使える表現である。 春になった。 Spring has come. 嵐にな…

英語基礎:Sアカデミー「英語S」の背景(その19)

天候や時を表す文 天候や時を表す文は、文型で言えば、多くの場合、S+VかS+V+Cになる。しかしだからといって、取り立てて扱わなくてよいということにはならない。まず、itに対応する日本語が多くの生徒にとって明確ではない。生徒の中には「this=これ、t…

英語基礎:Sアカデミー「英語S」の背景(その18)

There is/are . . . で始まる文 このクラスではすでに日本語の「は」の働きを導入済みである。S+V+O+Cも導入済みである。この2項目を生徒が理解していることが、There is/are . . .を導入する前提であると考える。まず、次の2つの日本語の文の違いを生徒…

英語基礎:Sアカデミー「英語S」の背景(その17)

S+V+O+C この文型は難しい。次の指摘も参照されたい。 第5文型はもっとも理解しにくい構文である。単純な形の文でも、目的語の次に来る補語が名詞であったり、形容詞であったりするからである。そこで、目的語の次に来る補語と目的語との関係を理解させる…