持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

派閥?

指導原理を求めるあまり・・・ 国語教育の世界は英語教育の世界以上にこわいと思った。何やら派閥のようなものがある感じだ。英語教育の世界にもそれらしいものはある。だが、国語教育のほうがその傾向が強い気がする。これは国語という教科が、何をどのよう…

通学の日々

点と線がつながらない 自宅から大学までは徒歩で10分強。キャンパスの北門から入り、主に14号館と16号館で授業を受けている。授業後に仕事があって東西線早稲田駅に向かうとき以外、キャンパスの中心部を貫通することはめったにない。極めて狭いエリアでこそ…

おいでよ、千葉・津田沼・柏に!

英作文法 今日今年度の授業で使用する教材一式を受け取り、一通り目を通した。そして考えたこと。高1高2の英作文法のテキストは日英語の対比を軸に導入していく。そして日英語で違うところについてはどう違うのかを生徒に納得してもらえるように配慮する。…

文型における日英語の接点

動詞の図式構成機能 田中・深谷(1998)は、動詞が事態を構成する対象に役割を割り振り、事態の図式としてとりまとめる働きのことを「図式構成機能」と呼んでいる。ここでいう「図式」とは認知言語学で言われる「命題スキーマ」に相当し、「事態を構成する対象…

【再掲】学習文法における文型論

今回は和文英訳のための日本語文法を考えるために、このブログで2008年4月に掲載した文型論を再掲することにします。 文型研究の3つの観点 日本語の文型研究は、次の3つの観点があると言われている。 表現意図による文型 語の用法に関する文型 文の構造に…

和文英訳再考(その3)

生徒の感じる「もどかしさ」 吉田・柳瀬(2003)はコミュニカティブ・アプローチにおける効果的な日本語の活用について述べている。このなかで、スピーキングやライティングで生徒がどのようなもどかしさを感じるかについての研究に触れられている。これは高校…

和文英訳再考(その2)

和文英訳の利点 和文英訳にも利点がある。まずは消極的な利点から挙げていく。中尾(1991)はクラスの生徒数が10〜15人程度までであれば自由英作文の授業が可能であり、それを超えるクラスサイズでは教師の添削の負担が大きく現実的でないことを指摘している。…

和文英訳再考(その1)

和文英訳批判 英語が書けるようになるために和文英訳が有害であるとの主張をよく目にする。松本(1965)では、和文英訳の弊害について、日本文を分析した結果をそのまま逐語訳として一対一で英語に置き換えることで英語の語義や語法を無視した英文ができてしま…