持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

古文

苦手な古文 わけあって、古文の講義をすることになった。もともと、古文は得意ではなかった。高校2年の時、定期試験の時間割がなぜかいつも物理と古典で同じ日になっていたことが原因である。物理が苦手であった私は進級のためになんとしてでも最低限の得点…

文章を書くということ③:樺島忠夫の場合(その3)

書かなすぎと、書きすぎの間に 樺島(1973)によると、文章を書き慣れていない人は、自分に分かっていることは省略してしまったり、簡単に書きすぎてしまったりして、他人が読んでも理解できなくなっていることが多いという。このような場合、文が抽象的な言葉…

文章を書くということ②:樺島忠夫の場合(その2)

書く内容のこと 樺島(1983)は、文章に書く内容を見つけようとするには、次の2つを行う必要があると述べている。 何について書くか(題材)を見つける。 題材について、どんなこと(主題・要旨・論旨)を書くかを見つける。 樺島は1.を「問題発見力」と呼ん…

文章を書くということ①:樺島忠夫の場合(その1)

文章表現の基本姿勢 樺島(1973)は、文章をコミュニケーションのためのものと言い切っている。この立場は、それまでの、作家による文章読本の立場とは一線を画すものであると言える。樺島(1980)では、作家の文章読本では、一般の人が小説以外の文章を書こうと…

助詞「が」について

主語ではなく補語 中島(1987)によれば、現代の日本語における「が」の用法は、英語の主語とはかなり性質の違うものであるという。英語の主語は主題を表し、述語は主語に対する陳述を表す。このため、何かの存在を伝えるような文では主題となる主語がないため…

『たのしい日本語の文法』を読む

基本文の構造 児童言語研究会によって編まれた『たのしい日本語の文法』(以下、児言研1975)では、文をいろいろなもの・ことについての考え(判断)を表すものと定義している。形態上は、文を主語と述語からなるものと分析し、次のような3つの種類に分類し…