ぼそぼそ
学級という集団 講義形式の授業では、講義を聴くか聴かないかは学習者の自由であるとして、一方的に進めていくことも可能です。しかし、講義を聴く動機付けが高い方が実りのある授業になるのは当然です。講義形式以外の、学習者がより主体的に参加する形式の…
盲点 すでにこのブログでも何度か書いていますが、私の教師としてのキャリアの大半は、塾や予備校、そして資格試験予備校でのものです。そこでの授業の多くは講義形式によるものです。このため、授業の技術も話し方と板書の仕方の2点に集約されます。高校英…
『英語構文詳解』と『英文法教室』 高2から高3にかけて取り組んだ学参に『英語構文詳解』がある。この本は整序問題を解くことを通じて英語の構文に習熟していくという趣旨のものである*1。教養主義といわれるような難解な文章を訳読させるのとは違った方法…
感覚から体系へ 中学までの自分の言語学習においては、「コミュニケーションvs文法」のような図式を無意識のうちに頭の中に構築していた気がする。英語を話したりすることが善であって、文法などをやるのが悪であるという考え方が、どこからともなく刷り込ま…
学習開始 前回も書いたように、私の英語学習は小学校6年の時に本格的に始まった。そのときは、まさにTnis is a pen.で始まるような教材で始めたのだった。どんな発音で発せられる言葉なのかはもちろん、どんな場面で使う言葉なのかも分からないまま、書いて…
はじめに このエントリは、id:anfieldroadさんの企画、「英語教育ブログみんなで書けば怖くない」への参加の一環として書いています。 小学校高学年 私が英語学習を始めたのは小学校6年の時で、当時の小学生の中では遅い方であったと思う。3〜4年のころから…
見たことを伝えること 学術的正確さを担保せずにゆるい文章で綴りたいので、「ぼそぼそ」カテゴリーで書く。事態認知というのは認知言語学で言われる概念である。ソシュールの「ランガージュ」も、これに通ずる概念であろう。言語主体が状況を捉えると、それ…
ご挨拶できず・・・ 新年の挨拶というにも松の内も過ぎてしまい、完全に挨拶しそびれている。「不定期更新の非人気ブログ」というスタンスでやっているが、もう少し頻繁に更新したいとも思っている。とりあえず、行を改めて一応のご挨拶を。 皆様、本年もよ…
だって、生きていかなきゃならないんだもん 優先順位というのは、大切なことである。今の私にとって、修論研究と仕事が同列で最重要である。修論研究は自分の将来を戦略的に考えていくうえで必要である。しかし、同時に仕事も今の自分を考えていくうえで必要…
ほぼゼロからの出発 10年以上続けているある仕事のこと。私より前からその仕事に就いている人はいたが、解法とか学習法ということを体系的に纏め上げたものはなかった。ただ読んで訳して答え合わせをして、の繰り返しの授業だったようだ。そこで私は限られた…
言語の恨みは恐ろしい 自分が英語ができないのは学校の英語教育が悪いからだという言説が流布している。パタンプラクティスをしよう。自分が漢字が読めないのは学校の国語教育が悪いからだ。自分が歌が上手に歌えないのは学校の音楽教育が悪いからだ。自分が…
ただでは身につかない 外国語に限ったことではないかもしれないが、学習にはお金と時間が必要である。大学生活にしてもそうで、親に学費を負担してもらった学部時代よりも、昨年4月から自腹で履修している大学院の授業のほうがモチベーションが高いのも事実…
どちらが忙しいか 非常勤先の高校で卒業式があり、浪人が決まった卒業生とも話をした。そこで私はその生徒に「浪人中というのは案外時間がある」ということを話した。大学に入ってからのほうが暇じゃないかという意見もあろうが、現実にはそうでもないと思う…
言語学習の基礎 言語学習の基礎は、ことばを知り、ことばを身に付け、ことばを使うことに尽きるのではないか。最近特にそう思うようになった。言語技術を身に付けさせることを言語教育の目標に位置づけるべきだと思う。だが、その基礎となるのがことばそのも…
漢字本を読む 最近、非常勤先の高校での空き時間を利用していろいろと本を読んだり、ラテン語や中国語の学習をしたりしている。そんな状況で漢字・漢文に関する本を読んだりすることがある。最近読んだのは次の3冊である。漢字の過去と未来 (1982年) (岩波…
激しくつぶやく場としてのブログ 本来このブログは、英語教育・国語教育を応用言語学の視点で切り込み、その思考の断片を私が覚え書きとして書き付けることを目的としている。だが、あまりに断片的すぎて専門的なエントリーたり得ないものがあったり、忙しく…
漢文の基礎を学び直して気付いたこと 先日から、『古典漢文の基礎』(山本哲夫著、洛陽社)を少しずつ読んでいるが、冒頭部分がなかなか興味深い。漢字・漢語の基礎知識として、六書に触れ、書体の変遷にも触れ、次いで熟語の成り立ち、呉音・漢音・唐宋音に…
己の体験を語れるか 予備校で教えていると、自分の受験生時代を振り返り自らの体験を語る講師が多いことに気づく。だが、ロクに受験勉強をやっていない私にとっては、語るべきものがない。予備校には通っていたし、授業もそれなりに受けていた。英語の授業で…
どこまで必要なのか 英単語は語源を手がかりに覚えるとよいなどと言われる。だが実際どうだろうか。少なくとも、初学者向けの学習法ではない。小学生や中学生がdogやcatの語源の知識がなければこれらの語彙が身につかないなんていうことはありえない。大人は…
MDウォークマンの活躍 最近はNHKの語学講座で勉強しようとする場合、「トークマスタースリム レッド RIR-900RT」のようなものを利用する人も多い。だが、私はとりあえず自宅にある機材を有効活用と考えた。そこで白羽の矢が立ったのがHi-MDウォークマン…
メディアの変遷 学部時代、ラジオの「やさしいビジネス英語」や教育テレビの「英語会話II」などを録音して聴いていた。だが録音に使うメディアはカセットテープで20分の放送を46分テープに入れると2回分の放送しか入らなかった。80分のテープなら4…
時間は作るもの 非常勤先の高校では高3を主に担当していたので、授業をせずに待機している時間が長くなっている。このためにラテン語などの勉強を始め、空き時間を勉強時間に充てようとしたのだ。自宅のPCに向かいながらやる作業は学校では難しいし、大き…
読み物の効用 大人が言語学習をする際には、読み物をうまく活用することが効果的であると思う。もちろん、文字や音声に触れることも入門期には大切である。しかし、あいさつなどから始める学習だけでは大人は退屈してしまう。なんの言語を学ぶにも、入口は中…
受験漢文と漢文学専攻と 最近、漢文にも興味を持つに至っている。特論の授業で漢文学をやっている院生に刺激されたこともある。いちばんの同期は、漢文を学ぶこと、教えることで、現代日本語をより効果的に運用できるようになるのではないかという漠然とした…
4月になったらでは遅い この時期になると、「新年度から」といって4月以降の生活に期待する人が多い。早々と進学先を決めた中学生や高校生などに特に多い。実は、私も中国語を4月から勉強しようと思っていた。NHKの「まいにち中国語」を利用していたか…
ラテン語のこと 最近、ラテン語を学んでみたいという欲求が沸々とわき上がっている。英語史の中でも大きな影響を与えてきたこの言語について知りたいと思ったからだ。初めて学ぶものはとりあえず新書をサクッと読んでみようということで、新書を中心にラテン…
遺伝子組み換え農産物のごとく 遺伝子組み換え食品を摂取した場合の長期的な影響については明らかになっていないと言われている。話を言語学習に移すと、最近ではmp3などの圧縮音源による学習が一般的になっている。人間の声には直接関係しない周波数帯をカ…
もちろん、丸暗記一辺倒ではいけないが・・・ 最近、語彙関係で購入したものに次のような本がある。 『英語多義ネットワーク辞典』(小学館) 『英語語義語源辞典』(三省堂) 西川盛雄『英語接辞研究』(開拓社) 高橋勝忠『派生形態論』(英宝社) 上級者…
ツイッターにて 今日のタイトルは、ある予備校講師がツイッターでつぶやいた言葉である。あの頃とは大学時代のこと、情熱とは専門書を貪るように読んだ情熱のことである。この一言で、私も学部時代のことを思いだした。当時はまだ教養課程と専門課程の名残が…
神保町にて 荒木一雄・大沼雅彦・豊田昌倫(編)『英語表現辞典』第二版(研究社出版、1985年) id:tmrowing先生がブログで触れていたのは初版の方で、これは第二版のようだ。いわゆる語法辞典だが、日本語や日本の言語文化との対比が随所に見られて興味深い…