持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

読む言語学習

読み物の効用

大人が言語学習をする際には、読み物をうまく活用することが効果的であると思う。もちろん、文字や音声に触れることも入門期には大切である。しかし、あいさつなどから始める学習だけでは大人は退屈してしまう。なんの言語を学ぶにも、入口は中1英語の相似形を成している。だが、多くの場合、英語以外の言語を学ぶ日本人は中1の年齢ではない。これは英語を学び直す場合にもあてはまる。そのようなときに、読み物によって目標言語の全体像のようなものを学んでおくと学習に弾みが付くのではないだろうか。
最近の私の場合はラテン語と中国語である。これらを学ぶためにまず新書を活用した。

ラテン語の世界―ローマが残した無限の遺産 (中公新書)

ラテン語の世界―ローマが残した無限の遺産 (中公新書)

はじめてのラテン語 (講談社現代新書)

はじめてのラテン語 (講談社現代新書)

この2点でラテン語とはどのような言語なのかということを把握してしまい、そのあとで練習問題に取り組もうという流れである*1。中国語についても新書を活用した。
中国語のすすめ (講談社現代新書 23)

中国語のすすめ (講談社現代新書 23)

これは現在絶版のようだが、神保町の古書店で手に入れた。比較的容易に入手できるようである。日中国交回復以前に書かれた本だけに一部の記述に隔世の感があるが、それでも日本語を母語とし、日本に暮らす我々が中国語を学ぶ意義について説かれており。いい刺激になった。

英語の場合

英語学習についても触れておきたい。最近再評価されて広く読まれているものに、こんなものがある。

日本人の英語 (岩波新書)

日本人の英語 (岩波新書)

英語教師にとっては『教師のためのロイヤル英文法』などでおなじみのピ−ターセン氏の著作である。英文法に特化したものならば、このようなものもある。
絵で英文法

絵で英文法

ここから、『絵で英単語』のシリーズに読み進めていくのもよいし、大学受験生であるならば、このようなものもある。
絵でわかる基本動詞 (快適受験αブックス)

絵でわかる基本動詞 (快適受験αブックス)

もちろん、ここに挙げた読み物だけで言語が習得できるわけではないが、入門基礎レベルにおけるブレークスルーとして有効と考えて紹介してみた。ご参考まで。

*1:学習の進行状況は折に触れてこのブログで書いていきます。