2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧
言語習得過程に沿った文法をめぐる試み 生成文法理論が示した言語獲得装置(acquisition device;AD)は、英語教師に母語獲得と外国語習得の違いを考えるきっかけをもたらした。その結果、外国語習得では一次的言語資料(primary linguistic data;PLD)が絶…
ご案内 今回のエントリーは、以前のエントリーの内容の一部を拡充したものとなっています。 Chomsky(1966)の母語獲得モデル Chomsky(1966:20)は、人間の母語獲得を次のようにモデル化している。 primary linguistic data→[AD]→G primary linguistic data(一…
現在、過去のエントリーに書いたことを整理し、欠けている情報を補ったりする作業を進めています。道楽でやっているわけではないので、どこかで発表する機会があれば発表しなければならないし、教材化できるものは教材化しなければなりません。 その過程のな…
実は、語学が嫌いです。なんで「語学」なんでしょうね?この言い方は言語学習を不当に高尚なものに仕立てている気がします。さらに、語学を教える教師がきわめて知的であるという誤った印象すら与えかねません。また、新しい言語を学ぶときに、必要以上に敷…
これまで断片的考察を次々と、だらだらと、まったりとアップしてきましたが、ブログを開始して来月で1年を迎えます。そこで、これまでのエントリーを読み直し、編集していく作業を少しずつ始めようと考えております。ここまで得た知見をまとめ直し、ブログ…
生成文法から学ぶこと 千葉(1982)は、英語教育が生成文法から学ぶことができることは大きく分けて2つあると述べている。1つは生成文法理論に見られる言語観に関する事柄であり、もう一つは生成文法理論の発展過程で明らかになった言語事実に関する事柄であ…
高等学校学習指導要領「国語科」の改訂をめぐって 1960年3月に「高等学校教育課程の改善について」が答申され、これに伴う国語科の学習指導要領改訂によって、「現代国語」が独立した科目として新設されることとなった。この年は国語教育の現代化にとって大…
1960〜70年代における、変形文法*1の英語教育への応用 1960年代から70年代にかけて、変形文法を英語教育に取り入れようとする動きが見られた。その理由として大沢(1971)は、変形文法が従来の文法よりも構文と構文との関係を軽快にカツ統一的に説明しているこ…