持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『良問でわかる高校英語』「別冊」の別冊(その9)

Chapter 2 動詞と文型(その5) 4.2.〜4.6.はS+V+O+Aの文型を扱っている。これらは阿部・持田(2005)でも取り上げている。文型に番号を振れば「5文型」の枠組みか「7文型」の枠組みかというところで悩むのであるが、本書では文型に番号を振っていないので…

『良問でわかる高校英語』「別冊」の別冊(その8)

Chapter 2 動詞と文型(その4) 4.S+V+Oという項では、まず4.1.で「英語の文の最重要パターン」としてこの文型を取り上げている。ここで「目的語」という文法用語の定義を行っているが、この定義は動詞との位置関係によって規定している。つまり、「〜を…

『良問でわかる高校英語』「別冊」の別冊(その7)

Chapter 2 動詞と文型(その3) p.15の3.にある「There is/are・・・で始まる文」ではまず、〈存在〉を表す文の3つのパターンを取り上げている。現在執筆準備中の学習書にはhaveも取り上げる予定だが、本書ではここでbeを使った文のみを取り上げている。実…

『良問でわかる高校英語』「別冊」の別冊(その6)

Chapter 2 動詞と文型(その2) 本書の文型論は、S+V、S+V+X、S+V+X+Xという3文型を出発点とし、動詞に後続するXにどのような品詞が続くかによって従来の5文型の枠組みで扱われている諸文型をネットワーク化したものである。そのうえで、文型は主に動…

『良問でわかる高校英語』「別冊」の別冊(その5)

Chapter 2 動詞と文型(その1) 阿部・持田(2005)では大学教科書という性質上、文型を網羅的に扱うのではなく、学習が比較的困難と思われるところを重点的に扱った。しかし、文型を学習する過程における困難は学習者によってさまざまであり、また今回は高校…

『良問でわかる高校英語』「別冊」の別冊(その4)

Chapter 1 英文の基本構造(その3) 3.2.の副詞のところのベースは1990年代後半の中学英語教科書、とりわけ中3教科書の巻末の基本文リストにある。つかみどころのない印象のある副詞を、中学レベルで触れる英語から典型的なものを押さえておこうと考えた。1…

『良問でわかる高校英語』「別冊」の別冊(その3)

Chapter 1 英文の基本構造(その2) 3.1.「名詞のまとまりの展開」では冒頭に人称代名詞の表を示してある。この表は一般的な「I−my−me−mine」という配列にはなっていない。1990年代に『英語教育』で連載されていた「英語のカリキュラム」(通称「若林・手島…

『良問でわかる高校英語』「別冊」の別冊(その2)

Chapter 1 英文の基本構造(その1) 1.1.の「主語と述語」と1.2.「述語の仕組み」のところは、一般的な英語総合の参考書などと比べて記述内容に大きな違いはない。「述語の仕組み」のところでは、「英語の述語には動詞が必要です」(p.6)とあっさりと言い…

『良問でわかる高校英語』「別冊」の別冊(その1)

Introduction 英語の構造規則と英文理解への応用 本書は一般的な大学受験向け学習参考書と同様に、明示的な文法学習を支援する立場をとる。そしてそこで扱う文法知識は、Larsen-Freeman(1991)のいうFORM/MEANING/USEの3つの次元から捉えるように努めている。…