『良問でわかる高校英語』「別冊」の別冊(その3)
Chapter 1 英文の基本構造(その2)
3.1.「名詞のまとまりの展開」では冒頭に人称代名詞の表を示してある。この表は一般的な「I−my−me−mine」という配列にはなっていない。1990年代に『英語教育』で連載されていた「英語のカリキュラム」(通称「若林・手島案」)を参考にこの表を作成した。ここでは「人称」という用語は使用しておらず、「格」という用語も括弧書きにとどめた。中学生が通う塾などでは早い段階から「格」という用語が用いられることが多いが、現代英語では語形に現れる「格」は人称代名詞と関係代名詞に限られるため、提示の仕方を工夫すればこの用語の使用は回避できると考えている。ただし現実には学習者がほかの学習書と組み合わせて使用することも想定しなければならないため、括弧書きで併記することとした。
表の後にある名詞句の展開は、たとえば安井(1996)などに示されている展開例を本書でも示している。展開例をp.9で解説しているが、この解説文にある冠詞などの説明は、ピーターセン(1988)、大西・マクベイ(1995)、阿部(1998)などを参考にしている。また、「冠詞とその仲間たち」は、「限定詞」の概念を、用語の定義を先送りする形で示している。本書では名詞句の扱いはこの章のみであるため、先送りのままになってしまっている。なお、リストそのものはSwan(1995)などを参考にした。