持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

『良問でわかる高校英語』「別冊」の別冊(その4)

Chapter 1 英文の基本構造(その3)

3.2.の副詞のところのベースは1990年代後半の中学英語教科書、とりわけ中3教科書の巻末の基本文リストにある。つかみどころのない印象のある副詞を、中学レベルで触れる英語から典型的なものを押さえておこうと考えた。1990年代なのは、私が中高生に英語の語順を定着させるための指導法を考え始めたのが1990年代半ば以降だったからである。また、当時書店売りされていた総合英語の参考書も文字通り参考にし、最終的には安藤(1985)を踏まえてまとめた。
次の3.3.の前置詞の項目は、まず前置詞の機能を大場(1996)の「転換子」の考え方を踏まえて提示した。そのあとの解説は伊藤(1996)のものを参考にしている。それに続く前置詞句の機能と用例は、これも中学英語教科書の基本文と総合英語参考書の例文を参考にして整理し、機能をまとめた。生成文法や構造言語学をベースにした文法書の影響を間接的であれ受けていることも確かである。なお、この項目では前置詞の統語的な機能に絞って解説している。あくまでも英文の基本構造の解説であるから、構造に焦点を当てるべき章であると判断した。

参考文献

  • 安藤貞雄(1985)『続・英語教師の文法研究』大修館書店
  • 伊藤和夫(1996)『英文解釈教室入門編』研究社出版
  • 大場昌也(1996)「新しい学校英文法のための5つの提案」『英語教育』6月号-10月号