持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

今日買った本

神保町にて

  • 荒木一雄・大沼雅彦・豊田昌倫(編)『英語表現辞典』第二版(研究社出版、1985年)

id:tmrowing先生がブログで触れていたのは初版の方で、これは第二版のようだ。いわゆる語法辞典だが、日本語や日本の言語文化との対比が随所に見られて興味深い。

  • 市河三喜(編)『研究社英語学辞典』(研究社)

これは初版が1940年で、増補版として1953年に版を改めたという。英語の書名がThe KENKYUSHA DICTIONARY OF ENGLISH PHILOLOGYとなっているのが時代を感じさせる。これが実は300円だったので買わずにはいられなかった。平成の代になって「英語学」(English Linguistics)を学んだ者が、こうしたものを通じて古い時代の「英語学」(English Philology)に触れることも無駄ではないと思う。

  • 大沢俊成・駒林邦男・佐々木達夫・福士俊朗『英語の授業改造−変形文法と学習のアルゴリズム化−』(明治図書、1968年)

1960年代から70年代にかけて試みられていた、変形生成文法の英語教育への応用の一端を知るための本。1990年代初頭にある予備校講師が変形という概念を受験英語に持ち込んでいて、私自身もそれに感銘を受けた者の一人であった。だがこうした試みはそれよりも20年ほど前に行われていて、実は決して目新しいものではなかったのだということは、このブログでも以前触れた。
あとは、新書を少々購入。

  • 杉原厚吉『理科系のための英文作法』(中公新書、1994年)
  • 西田実『英文解釈の基礎−熟語の知識−』(岩波ジュニア新書、1983年)
  • 松本亨『英語の新しい学び方』(講談社現代新書、1965年)
  • ウェイン・スティアー『ネイティヴが教える英語作文の技術』江口真理子訳(丸善ライブラリー、1998年)

温故知新

最近、日本語学や国語教育に関しては古い本も買い込んでいたのだが、英語のほうは新しいものばかり追っていた気がする。だが、古いものにも良いものがあり、それがこれまであまり注目されることなかったために、気付かなかったりもする。そういったものにも光を当てることで、日々の授業のあり方を見直す視点が得られるかもしれない。要は、自分がいかに不勉強で本を読んでいないかということに気付いただけなのかもしれないが・・・