持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

新年のご挨拶 −A New Decade−

ご挨拶

皆様、あけましておめでとうございます。
本年もご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

今年やること

昨年から大学受験指導に本格的に復帰しました。今年は12年ぶりに通常授業で高1を担当したり、英作文法を担当したりと、読解テク+文法問題対策という一般的な受験英語の切り口とは違う仕事をする機会に恵まれました。高校低学年のクラスで、読解と作文をバランスよく扱う機会を得たわけですから、英文和訳と和文英訳を方法論の中心に据えた、言語知識の学習ということに正面から取り組んでいきたいと考えております。その際に、日本語の発想をそのまま英語にできないとか、和文和訳をしようとかということ以前に、日本語と英語の、どこが似ていてどこが違うのかということに意識を向けさせることが必要と考えます。日本語の分析ができないまま和文和訳をやれと言っても無理なのです。高校生となれば、十数年の日本語の獲得・学習の履歴があるのですから、彼らの持つこの貴重な財産を有効に活用しない手はありません。
もうひとつ、今年は「外国語学習を効果的に進めるための基盤となる国語学習のあり方」という問題に本格的に切り込んでまいります。4月からは、予備校で英語を教える傍ら、大学院に籍を置き、国語教育について研究していきます。ことばを学び、ことばを使い、ことばを教える。そうした根源的なことに、もっと真剣に向き合いたいと考えております。母語の教育では3領域分立なのに、外国語の教育では4技能統合という妙な流れを生み出しつつある学習指導要領。こんな縦割り行政の権化のようなカリキュラムでは生徒は救われません。これをよしとする根拠は何であり、仮によしとするならば、国語でどのようなことを身に付ければ英語が効果的に学べるのか。そしてそれをどのように教室で実践していくのか。こうした問題に積極的に取り組んでいきたいと考えております。