持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

予備校生と大学生

どちらが忙しいか

非常勤先の高校で卒業式があり、浪人が決まった卒業生とも話をした。そこで私はその生徒に「浪人中というのは案外時間がある」ということを話した。大学に入ってからのほうが暇じゃないかという意見もあろうが、現実にはそうでもないと思う。予備校生と大学生との一番の違いは通学時間の違いである。首都圏で言うと、旧国鉄の通勤5方面には大手予備校の校舎が必ずある。東海道線方面なら横浜、中央線方面なら立川、高崎宇都宮線方面なら大宮、常磐線方面なら松戸か柏、総武線方面なら津田沼か千葉という具合である。このため都心の校舎まで通学しなくても自宅から比較的近い校舎に通学することができれば、移動にかかる時間を抑えることができる。
これに対して大学は必ずしも学生の通学の利便性に配慮をしてキャンパスを設置しているわけではない。私の通っていた大学は、近隣住民への配慮から自動車通学が禁止されていたため、運転本数の少ない電車での通学を余儀なくされていた。私の場合、浪人時代の通学時間は1時間ちょうど(実乗40分)だったが、学部時代の通学時間は2時間(実乗70分+待ち時間30分)であった。この時間の差は大きい。
勉強時間が違うから大学生のほうが暇という意見もある。この考え方には否定的である。浪人生活というのは、高校での学習量の不足を予備校で補うというものであって、いわば補習期間なのである。だが大学は、本来ならばリベラルアーツだけで精一杯のはずの4年という期間に、専門教育までぶち込まれているのだ。暇なはずがない。現実には暇な学生もいるが、それは学校教育法に罰則が設けられたら真っ先に逮捕されるような人たちである*1。このように考えると、浪人生は自由な時間に恵まれているということになる。この時間を有効に活用することが重要と言える*2

*1:もちろん、そんなことは現実には起こりえないが・・・

*2:実際の私は大宮の街をふらふらしてたが・・・