持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

研究テーマなど

研究テーマ

このブログでは、ゼミで発表した後に発表資料を公開している。その理由はより多くの人に自分の研究の進捗状況をご覧になっていただきたいということと、生臭い話しで恐縮だが、自分の著作物であることを研究室内外に知らしめることの2点による。これから就職活動をするストレートマスターや復職が既定の現職教員とは違い、私の場合はフリーランスの立場であるから、ゼミの発表資料であっても、今後の著作や講義・講演などの活動と関連してくるからである。
研究テーマは、「メタ言語能力を育む古典文法教育−文法の意識化と古文理解とのインタラクション−」である。「外国語学習の基盤となる国語力」という大きなテーマのもとで、古典教育に現代的な価値を見出そうとする試みである。現在は理論的基盤をめぐる文献研究に終始しているが、最終的には授業構想の提示や、受験指導との関係などといった現実的な問題にも切り込んでいく予定である。

今回の発表について

今回(7月2日)の発表では、メタ言語教育の発達を促進させる古典文法教育が従来の古典文法教育とどう違うのかという点に切り込みたいと思っていたのだが、そこまでたどり着くことが出来なかった。結果的に現代語文法教育に言及する部分が大きくなってしまったために、「古典に限定しない方がよいのでは?」という意見もゼミで出た。ここで私がまだ示せていないことが、「外国語も巻き込んだ言語意識教育における古語の位置づけ」なのだということに気づいた。つまり、自分の頭の中にはあるグランドデザインが、毎回の発表を聞いている人には伝わっていないのだ。こういう目新しい提案をするときには、だれもが納得できる議論を展開していく必要があると痛感した。