持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

前期(ほぼ)終了なう。

合同発表会を終えて

私の所属している研究室では学期末に修士課程と博士後期課程との合同発表会を行うことになっている。修士1年の場合、通常のゼミでは他の学年のゼミ生は参加しないため、内輪で議論をしていくのだが、合同発表会では複学年での議論が展開されることになる。私の発表にあたっては前期の研究の全体像をふだんのゼミに参加していない人たちにも知ってもらおうとしたのだが、口頭発表での時間配分を誤ってしまい、こちらの主張がうまく伝わらなかった感じがした。
そのような状況であっても、有益なコメントをもらえたのはありがたかった。そこで気づいたのは、そうした有益なコメントをしてくれたのは、理論だけでなく、国語教育の現場での実践経験が豊富な院生のみなさん*1であったということである。理論は文献を読んで1人で研究していってもよい*2のだが、実践面では経験のある人たちと意見や情報を交わしていくことが欠かせないと改めて思った。逆に言えば、現場を知らずにBからM、MからDへと進んでも、教育に絡む研究では薄っぺらなものに堕してしまうおそれがあるということでもある。となれば、英語教育に携わってきた経験と知識を国語教育に生かしていくという、私なりの仕事をしっかりやらなければならないという思いがいっそう強くなる。研究はまだ始まったばかりである。

*1:おそらく、口頭で触れてないことに対しても、首尾よく行間を読んでくださっていたのだと思う。ありがたいことである。

*2:実際、理論面では示唆はいただいたものの、深く切り込んだ意見をいただくことができなかった。口頭発表で当日配布のハンドアウトの内容をすべて触れたわけではないのだから、意見を言えというのが無理な話である。そのため司会役の方にも質疑応答の時間を埋めていただくのに負担を掛けてしまったという思いがある。