持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

意識の壁

日本語教育のこと

昨日、大学図書館のサイトから日本語教育の概説書の蔵書検索をした。すると、日本語教育と言語習得研究との関連を扱う本が複数貸し出されていた。JSLJFLの教育に関心がある人たちは、習得研究にも自然と関心が向くのであろう。同じ"JFL"でもJapanese as the first languageのほうは、なかなか言語習得に関心を向けられない。それを自明のこととして考えている教師がやはり多いのかもしれない。
日本語教育学会には国語教師の姿は少なく、国語教育系の学会にも日本語教師の姿は少ない。私の研究室には両方の分野に関心を寄せる院生が少なくないが、全体としては明らかに少数派である。なぜ交わらないのだろうか。交わる必要がないならその理由を明らかにして、双方の学会で発表なり講演なりすべきである。その理由が明確にならない限り、両者の交流は必要である。
対象となる学習者は違うが同じ言語を扱う日本語教育と国語教育。対象となる言語は違うが学習者群を共有する国語教育と英語教育。それぞれの交流・連携によって言語教育全体の発展を目指したい。同時に教師・研究者が所属を超えて交流することも進んでいったらいいと思う。