持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

伝えあう力

国語教育と英語教育

今日のタイトルは国語科の学習指導要領で登場する言葉である。類似の概念を外国語科では「実践的コミュニケーション能力」と呼ぶ。このような用語の違いのように、国語教育と英語教育では、さまざまなところで問題意識の共有を妨げる要因が見られる。今日は院生日記なので一般論を語るつもりは毛頭なく、ただ自分のゼミでの発表のなかで感じたことを書き綴ろうと思う。
ゼミの発表では、参加者(ここでは修士課程の院生)が純粋に理解不足や疑問を発表者に質問したり、発表内容の不備を指摘したり、今後の研究に向けた助言をしたりする。そこで私が感じたのは、私は英語教育側の人間なのだということである。英語教育で当たり前のことが、国語教育では当たり前ではないことがあるのだということに、改めて気づかされたのだ。例を挙げると、私が「文法をそもそもどう定義するのかにもよる」と言ったところ、文法なんて定義するまでもないだろうというような空気が流れた。
私は国語教育と英語教育(必要に応じてその他の言語の教育も)との連携の強化を目指している。そのためには、国語教育の研究の中で書く論文も、国語教育だけでなく、英語教育などに携わる方が読んでも納得できるものにしたいと考えている。だが、研究室に入ってゼミに参加するようになって2か月あまりで、それがなかなか難しいことに気づいた。それでも、自分の書く論文の1つ1つが国語と英語の教師・研究者の共通認識の醸成に貢献できなければ、国語教育の研究を私がやる意味がないので、難しいが実現していきたいと思う。