持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

理論?

学習指導要領

教科教育学的な研究を行う際に、学習指導要領を参照することがある。これと完全に矛盾する実践を教室で行うのは現実的でないからだ。だが、学習指導要領を持ち出すことが教科教育の理論研究なのだと思いこんでいるような雰囲気がなくもない。
個人的には、学習指導要領は、踏まえつつ超えるべきものであると認識している。だから、学習指導要領ありきではなく、学習者にどのような学力をつけさせたいのか、またそのためにはどのような指導が有効なのかを考えていくことになる。

「国語教育学」という虚構

「国語教育学」という自己完結型の分野が存在するかのようにこぢんまりと研究する人がいるが、教科教育のための理論は本来学際的である。母語の教育という文脈においては応用言語学的であると言ってもよいだろう。実際、国語教育の研究書には、心理学、哲学、社会学、論理学といった分野の文献が引用されていることが少なくない。だが、そうした分野の文献を質・量ともにしっかり読んでいるのかというと、必ずしも十分な読み込みができていないものもある。このため、先行研究を鵜呑みにせず、自分でていねいに文献を読まなければならない。独学で研究を進めていくことには抵抗はないものの、ゼミでのやり議論がより一層重要になってくるのはいうまでもない。