持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

『英文理解のための基礎知識』から『英文理解の基礎知識』までの四半世紀(その2)

『英文理解のための基礎知識』のコンセプト

1996~1997年に書きまとめた『英文理解のための基礎知識』は、英語の統語構造を可視化することに努めました。これはまず、持田が受験生だった時に触れた高橋善昭先生の講座とご著書の存在がありました。

伊藤和夫先生の一連のご著書との違いは何よりも文構造の可視化を試みている点にあります。その後は、大学入学の前後に読んだ『英語の構造』の影響もありました。

そして、『英文理解のための基礎知識』の構想を思いついた時期に『英語教育』で大場昌也先生の連載「新しい学校英文法のための5つの提案」がありました。これは(変形)生成文法を学校文法に援用する試みの1つでした。このあたりで、先述の高橋善昭先生の「元ネタ」にあたる、1960年代から1970年代に試みられた変形生成文法の英語教育への応用の実践を『英語教育』や『現代英語教育』の過去記事から知ることになります。当ブログでも持田の当時の考察を振り返った記事を書いています。

ownricefield.hatenablog.com

ownricefield.hatenablog.com

ownricefield.hatenablog.com

ownricefield.hatenablog.com

ownricefield.hatenablog.comリンク先の記事をお読みいただければお分かりの通り、方向性としては1980年代くらいまでの生成文法の理論を柔軟に取り入れることで、1960年代~70年代の実践や高橋善昭先生のものよりも、もっと単純な構造のしくみにも可視化の光を当ててきたいと思うようになっていきました。

 

(続く、たぶん)