持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

『英文理解のための基礎知識』から『英文理解の基礎知識』までの四半世紀(その4)

『英文理解のための基礎知識』からの四半世紀

『英文理解のための基礎知識』は、その後に持田が予備校や塾で教えていく際の指針となっていました。構文主義てきなものを、中学英語レベルから取り組めるようにしていくための、1つの方向性を示すことができたと考えていました。

note.comそして、ここからのスピンオフ的に、阿部一先生との共著の形で大学教科書を出したりもしました。

この流れは、単著で出した大学受験学参でも続いていました。

この頃までは、自分が教えている読解文法の基礎の扱い方に大きな変化はなかったと思います。大きな変化が生じたのは、大学院で修士論文を提出したあたりです。

ownricefield.hatenablog.comここで、「意味の前に統語知識を明示的に学ばせたい」ということに加えて、「語の出ある日本語から英語の学びを立ち上げたい」という意識が自分の中で明確になってきました。2010年代は予備校や塾の授業でもこうした内容を盛り込んだプリントを配布して授業を実践していました。これを教材としてまとめあげたものが、『ゆっくりとしっかり学ぶ英文法』です。

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ownricefield.hatenablog.comこれを書くにあたってそれまでに参照してきた文献はリストにしてあります。

ownricefield.hatenablog.comこれをまとめ上げる過程で、『英文理解のための基礎知識』も改訂しようかな、と思うようになりました。日本語と向き合うことによって、英語として特に意識しなければならない語順や構造があると思うようになったからです。『ゆっくりとしっかり学ぶ英文法』は意味の面にも深く掘り下げた解説を付けていますが、これを『英文理解のための基礎知識』のように、もう少し形式的側面に特化して扱っていくことも、学習者のニーズによっては大切なのではないか、と思ったわけです。こう考えて取り掛かった改訂作業ですが、やっていくうちに、大幅改訂では済まされないくらいの変更が生じてきたため、タイトルを変えて別の教材としてリリースしたのが今回の『英文理解基礎知識』です。

note.comタイトルの「英文理解」には一貫したこだわりがございます。こちらの記事もお読みいただければと思います。

note.comこのシリーズは今回のその4をもって、終了いたします。お読みいただきありがとうございました。