持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

読解と作文法

高1・高2の「予備校の英語」

現在出講する予備校では、高1と高2の中上級クラスでは英文読解と英作文法の教材が配当されている。標準的な時間配分は週あたり前者に50分2コマ、後者に50分1コマとなっている。このうち、私が重視するのは英作文法のほうである。なぜか。それは文を書き綴ることを目標とした文法学習が高校低学年(というか、非受験学年)にとって有効であると考えるからだ。読解はそうした知識を読みに応用する技術を扱う授業という位置づけだ。
英作文法の授業では、「気づき」(awareness)を重視する。「なるほど、そういうことだったのだ」という腑に落ち感が大切だと思っている。文法や語法の知識は理解して、それを作文に使っていくことで、英語に対する勘が養われていく。その過程のなかで知識が定着していくのだ。「分かって、使って、感じ取る」これがモットーだ。予備校講師はとかく、「英語は暗記科目ではない」と言ってみたりと、奇を衒った言動も見受けられる。だが、丸暗記という学習活動は否定されても、知識の記憶という心的過程は言語学習には絶対に必要なのだ。問題集とオレンジのペンと赤いシートでしか受験英語をやったことがない高校生には、一度予備校の教室を覗いてもらえればと思う。