持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

見えないものを目指すということ

読解力の構成要素と生徒の意識

やはり生徒は、文法や語法の知識をノートにまとめて覚えてテストに備えるという、お手軽な英語学習のパラダイムから脱却できないでいる。知識でノートが埋まると、勉強したという充実感が目で見て分かる。真面目な生徒ほどこれが快感なのだろう。年度途中に着任した教師が一人でそんなのは英語学習じゃないと言っても、そう簡単に思いが伝わるものでもないのかもしれない。
一方、パラグラフリーディングのワークシートには一生懸命取り組んでいても、読解文法のワークシートになると、なんでこんなことに時間を掛けるのかとでも言いたげな表情を浮かべたりする。英語が読めるようになるには何をしなければいけないのかということを日頃から意識してこなかったのだろう。ただ、リーディングの授業が大変な授業であることだけは認識しているようである。問題は、「大変だ、大変だ」と嘆いていても英語力に変化は訪れないということを認識していないことである。

見えてきたこと

リーディング授業のやり方には、3つの流派があることが見えてきた。1つは構文主義で1文1文すべてに文法構造の解説をする授業。2つめは本文に出てくる文法・語法知識を断片的に言及し、設問の答え合わせをするという学校で一番多いパターンの授業。そして3つめはパラグラフリーディング一辺倒の授業である。この3つを統合し、しかも解答の手順まで解説するのが私の授業なのだが、生徒にはなぜそこまで必要なのかが理解できていない者もいる。なぜって?理由は簡単。英語Iや英語IIで積み残したことを一気に扱わざるを得ない状況だからだ。