持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

拙著のご案内

『良問でわかる高校英語』

書名にある「高校英語」とは「主に高校生が学ぶ英語」という意味合いであって、学習指導要領に準拠しているという意味ではありません。「問題集ですか、それとも参考書ですか?」という問いに対しては「両方です」とお答えすることになります。「問題集だとすると、文法問題集ですか、それとも読解問題集ですか?」という問いに対しても「両方です」とお答えすることになります。ただし、「長文」問題集ではありません。
まず、本書の問題集としての側面からお話しします。全体を「文構造」「文脈」「文章理解」という3つの部分に分け、それぞれに10題ずつの問題を配し、計30題の入試問題を収録しています。「文構造」では、空所補充問題、正誤問題、パラフレーズ問題などによって、文文法の知識を確認し、活用していくようになっています。「文脈」では、談話標識を問う空所補充問題や文整序問題、文補充・文削除問題によって、文と文との結束性、文章全体の統括性に習熟できるようになっています。最後の「文章理解」では、比較的短い文章を読み、内容一致等の設問を解くようになっています。ここまでくると、本格的な長文読解の足がかりが得られたという実感が湧いてくると思います。問題は1980年代から2010年代までの約30年間に出題された入試問題から厳選して収録しています。
次に参考書としての側面ですが、本書には文法解説や文章理解への心構えなどをまとめた別冊「要点ハンドブック」が付属しています。文法解説の部分は、英文法の主要項目を形式、意味、実際の用法の観点から解説してあります。この部分だけを、独立した文法書として活用することもできます。また、本冊の問題演習に先立って、別冊の文法解説の読み込みから取りかかることもできます。その際に、教室では『実践コミュニケーション英文法』を併用して文法の基礎を学ぶことも可能です。文法理解への心構えとしては、パラグラフの仕組みや結束性、統括性についての解説をしてあります。
本書の対象となるのは、主に一般受験で大学を目指す高校生となります。文法問題集や英単語集は何となくやっているけれどもそこから先に進めないと悩んでいる受験生にお勧めです。浪人してなお学習法が定まらない受験生が現状を把握するために取り組むというのも考えられます。また、一般入試を経ないで大学に入った学生で、公務員試験の対策などで英語の勉強をやり直さなければならないという人にもお勧めできます。