持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

日本語−書く

文章を書くということ①:樺島忠夫の場合(その1)

文章表現の基本姿勢 樺島(1973)は、文章をコミュニケーションのためのものと言い切っている。この立場は、それまでの、作家による文章読本の立場とは一線を画すものであると言える。樺島(1980)では、作家の文章読本では、一般の人が小説以外の文章を書こうと…

「書くこと」の基本または根源

書く内容の重要性 日本語にしても英語にしても、文章を書くときには書く内容が重要であることは言うまでもない。英語で語彙・文法・発音などの知識を身につけても話す内容を持っていなければ、英語を話すことはできない。すると話す内容というのは、英語学習…

「生活綴方」という発想(その1)

すべての教科の基礎としての国語力、英語力の基礎としての日本語力 「生活綴方」というと、教育史や受験日本史で出てくる概念・用語というイメージしか浮かばない人が多いかもしれない。しかし国分(1962)に見られるように、綴方はすべての教科の基礎としての…

コンポジションと作文指導

コンポジションと作文 森岡(1962)ではアメリカの言語教育において行われている「コンポジション」(composition)と日本の作文教育を対比させている。コンポジションは古くはギリシアに端を発する修辞(rhetoric)からの発展であり、作文だけでなく言語の4…

新しい時代の幕開けなのか。

けさの朝日新聞で池内恵氏による記事を読んだ。記事の内容はテロリズムに関するものであるが、ここではその内容について論じるつもりはない。注目したいのはそのレトリックである。この文章は段落構成が非常にしっかりしていたのだ。欧米の文章に見られる「…