持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

電子辞書のこと

携帯辞書今昔

私が携帯サイズ*1の辞書を使い始めたのは、高校時代に『新コンサイス英和辞典』を使い始めたのが始まり。サイズの割に収録語数が多く、大学時代も使うことが多かった。予備校講師をするようになってしばらくは実家から仕事に行っていたため、新幹線の車内で予習をする必要があった。そのため『ハンディジーニアス英和辞典』を購入した。この頃は携帯にも紙辞書の時代で、電子辞書は『リーダーズ英和』の専用機が出始めたころだったころで、非常に高価だった記憶がある。その後は、東京山手線内に住むようになって、移動中に授業準備をすることもなくなり、辞書を持ち歩くことも少なくなった。ときどき『ジェム』を持ち歩くこともあったが、小さすぎてあまり役に立たないのも事実だった。

電子ブックプレーヤー

初めて買った電子辞書は専用機ではなく、電子ブックプレーヤーであった。8cmのCD-ROMを差し替えるやつだ。『リーダーズ』が入っている機種を購入し、それに『大辞林』と「海野さんの辞書」のソフトを差し替えながら使っていた。ただし、紙のハンディサイズの辞書と同じ程度の大きさであることに加えて、ディスク駆動方式であるためにバッテリーの持ちが悪いのが難点であった。

新機種購入

さて、そのような状況であったが、出先の職員室や講師室などで授業の準備をしたり、生徒の質問に答える際などに、やはり電子辞書がある方が便利である。そこで、約9年ぶりに電子辞書を購入することにした。SIIのSR-G10001という機種である。高価な機種であるが、研究社・ジーニアス・ランダムハウスの大英和が使えることと、コウビルドやオックスフォードの英英や用例検索も充実しているため、購入を決めた。USB接続することでPCでも検索できるため、便利である。

紙辞書のこと

では紙辞書はもう引かないのか?そんなことはないだろう。自宅の仕事場にある辞書の多くは電子化されていないものであるから、これからも引くことになるのは確かである。ただ、そういうことをするのも、複数の辞書を引くことが仕事や生活の一部になっている者に限られる気もする。ある日、予備校の講師室にいたら、生徒が受付で「電子辞書を貸してください」というのを耳にした。自分の電子辞書を持ってくるのを忘れたら、借りる辞書も紙ではなく電子辞書が当たり前と思いこんでいるようだ。もちろん、紙辞書しか貸せないのだが・・・
それと、もうひとつ。「電子辞書を引いても力が付かない」という言説が気になる。正しい気もするが、その理由が明確には掴みきれていない。ノスタルジーや根性主義以外の、合理的理由があるはずなのだが、同時にそれは電子辞書を使い慣れることで克服できる気もする。ただ、生徒と教師が全員同一機種を使用する場合でない限り、辞書指導がやりにくいのも確かである。

セイコーインスツル 電子辞書 PASORAMA 英語モデル SR-G10001

セイコーインスツル 電子辞書 PASORAMA 英語モデル SR-G10001

*1:携帯電話サイズではない。