持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

知識先渡し授業の試み

和訳先渡しに学ぶ

授業時間の大半を和訳に費やしていた状況から脱却するために和訳先渡しという方法が考案された。だとするならば、ポスト訳読として、高校現場で横行している、長文を使った断片的な文法語法説明が中心となっている状況から抜け出し、「読む」という言語活動に照準を合わせていくには、「知識先渡し」という方法もあっても良いのではないかと思った。
これまで、板書や口頭で語句の説明を行うことで多くの時間を費やしていたのを、プリント化して先渡しすることで時間を捻出してみることにした。正直、この手のプリントを作るのは意外と時間が掛かる。解説冊子をそのままコピーする手もあるのだろうが、情報不足の感は否めない。だから、解説冊子のコピーなどではない、オリジナルのプリントにこだわりたい。
問題は、捻出した時間をどう有効に活用するかである。テキストの右ページにある設問以外の、もっと内容を考えさせる設問を用意して解かせてみたりするのもよいだろう。逆にスキャニングに徹したエクササイズがあっても時にはよいだろう。多くの生徒が躓く文法形式については、テキストの既習部分で同種の構造を持つ文を抜き出して復習するのもよい。要約を課してもよいし、音読の時間を確保するのもよい。とにかく、知識志向の授業から方略志向・技能志向の授業へとパラダイムを転換できればよいと思っている。はたしてどうなることやら・・・