持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

「リーディング」という科目と受験指導

どこまで受験に特化するか

「リーディング」という科目は「リーディング」を使用するのが基本である。だが教科書を終えてしまうと、入試問題を解いていくような受験対策色の強い授業となっていくことが多い。公立高校であれば選択科目としてかわいらくしく営まれるのであるが、私立の場合は大々的に展開されていくことも少なくない。現在勤務している学校でも、ご多分に漏れずそうした授業を行っているのだが、ここで問題となるのが、どこまで受験に特化した授業にするのかということである。
直接的な受験対策なのか、あるいは受験学力も付くような授業なのか。後者が理想であるべきなのだが、現場ではそうもいかない場合が多い。特に非常勤講師の立場では、このあたりでとやかく言う機会を得ることはまずない。教材採用の権限もない。ここで教材やカリキュラムに苦言を呈するのは簡単である。しかし生徒たちは年明けの入試を控えているわけだし、いたずらに現場を混乱させることは得策ではない。
与えられたコマ数と教材で、いかに生徒にとって有益な授業ができるか。これに尽きる。生徒が「現役で大学に入れないかも」という不安を抱いてしまっているのならば、あえて受験にとことん特化した授業を展開することで、生徒は自信や希望を取り戻すことができる。2年までに定着していない知識があれば、そこを確認し、補強することも必要であろう。