持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

久々の大学受験指導

今年度は、久しぶりに大学受験指導の仕事もやっている。「久しぶり」というのは、実は語弊がある。というのも、大学受験の対策をまったくやっていなかったのは昨年度だけで、細々とは続けていた。しかしシラバスから教材まで任されての仕事は久しぶりなのである。
この仕事に手を出すと、大手予備校の教壇に立ちたいという欲求を抱く人は多い。でも私の場合は、現在大学受験以外の試験対策で大手の講師を務めているので、あまりあちこちに露出したくないことと、受験対策を通じて高等教育に耐えうる基礎学力を形成していく場は、大教室での講義ではなく、小さな教室でじっくり取り組みたいという気持ちから、大手予備校での講義には関心がない。
いわゆる「ぷー太郎」の時期に、生活費を稼ぐために予備校で教えるようになったのだけど、その後英和辞典の執筆をする仕事をいただいて、予備校での仕事を大幅に縮小した。この頃から、中高の英語の先生方や、通翻訳に従事している方、英語や英語教育を研究している方など、さまざまな方々にお会いする機会を得て、小さく言えば「英語の教え方」、大きく言えば「職業観」みたいなものが少しずつ自分の中で変わってきている気がした。
久々に大学受験指導をやって感じたことは、入試問題が解けるようになるために何をすればよいのか、ということを素直に考えて実行できるようになったな、ということ。今までは文法に対して妙にマニアックになってみたり、他の講師の言動が気になったりしたものだが、今はそういう力みはない。読解問題は読んで解ければいい。どうすれば読めるのか、どうすれば解けるのか、素直に考えて授業をする。そしてその学習活動がなぜ必要でどういう成果が上がるのか、ということを生徒に話して合意の上で授業を進行させていく。気持ちのいい仕事である。

アドバンストフェイバリット英和辞典

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