2005-11-19から1日間の記事一覧
本書の特徴は、欧米の言語習得研究の受け売りではなく、著者自身による教室での実践から生まれた理論であるということに尽きる。文法学習の重要性や国語教育との連携を重視するなど、考えてみれば当たり前なのだがなかなか気付かなかった指摘が随所に見られ…
本書は専門書である。しかし言語学や心理学の心得がなくても読みやすいように書かれている。「読む」とはどういうことか、そのためにはどのような知識や方略が関与するかということを、最近の研究成果を踏まえて簡潔にまとめられている。
本書は『英文解釈教室』など著者の参考書の背景にある考え方を英語教師などの受験生以外の読者向けにまとめたもの。予備校の教室から生まれた「理論」とは言え、受験英語以外の英語教育・学習にそのまま当てはまるところも多い。
今となっては受験参考書として本書を読む人も少ないのかもしれない。だが本書は受験英語におけるいわゆる「構文主義」の原点を切り開いた書であり、学校文法を英文読解のための「読解文法」として再構成することを試みた意欲作でもある。本書の是非は、まず…
読解過程と読解学習過程 文章を理解する際には、単語の認識から文の理解を経てより大きな言語単位の理解につなげていくボトムアップ処理と、背景知識などを駆使し文章の内容を予測し確認していくトップダウン処理が同時にはたらくと考えられている。しかし読…