持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

人柄

大切なこと

大学の先生方にはいろいろな方がいるようである。その多様性の「変域」は予備校講師のそれとは少々違う気もするが。学問的な情熱みたいなもので言えば、学部時代にお世話になったH先生のような方もいる。ゼミにもお誘いしてくださったのだが、同一のゼミに2年間在籍するのが原則であったため丁重にお断りをしたのを思い出す。あのときご厚意を受けて「移籍」していたら、今ごろは生成文法の研究をしていたかもしれない。
私は大学については高校までの「学校」と異なり、自分が必要なことがただ勉強できればよいと思っていたので、予備校のような関わり方をしていた。愛校心とか帰属意識みたいなものは皆無だった。いまも同じゼミの友人の一部とは交流があるが、クラスなどで一緒であった人との関わりはほとんどない。だからゼミでご指導いただいていた先生から学生に対して格別の配慮があるなどという期待はなかった。大学教員とはそのようなドライな人々だと思っていたのだ。
ところが、今回お世話になることになった某大学のM先生*1は、こちらが恐縮するくらいの気配りをしてくださる方である。研究室でお会いするときに日時の決め方も非常に丁寧である。大学の先生というのは約束の時間に研究室を訪ねても不在であるとか、約束自体が反故にされるとか、そういうことが当たり前で学生はそれに耐えるのがタテ社会なのだと思っていたため、自分にとっては新鮮であった。だが、よく考えれば社会人同士。これが普通のことなのかもしれないと思った。

*1:来年4月以降は実名公表し、私のプロフィールも手直しするかもしれませんが、いまはこんな表記で失礼いたします。