「プロトタイプ−コア理論」の展開
プロトタイプ−コア理論
これまで提案してきた、日本語の動詞と結びつけやすい、英語の基本動詞のプロトタイプから意味役割図式を喚起させ、その後学習者が遭遇する用法と照らし合わせながら、徐々にコアへと導いていく考え方を、「プロトタイプ−コア理論」と呼ぶことにする。プロトタイプ−コア理論に基づく指導法の特徴とは、以下のような点にある。
- 日本語の知識を最大限に生かした学習が可能になる。
- 意味と形式の対応関係を理解しやすくなる。
この指導法が最大限の成果を上げるには、日本語の文法、いわゆる学校国文法の再構築を、英文法の再構築と同時に進めていく必要がある。国文法の見直しは、国語教育の枠組みの中で行われることが理想的ではあるが、英語教師が英文法を教える際に、再構築した国文法の枠組みで日本語の意味や形式を学習者に意識させるだけでも、ある程度の成果は上げられるであろう。もちろん、国語教育と英語教育で一貫性のある文法指導ができる方が、学習者に無駄な負担を掛けないで済むことはいうまでもない。
(以下は後日掲載します)