言語教師・持田哲郎のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

英語基礎:Sアカデミー「英語S」の背景(その22)

述語動詞の形

一通り文型を扱った後は、述語動詞の形へと移っていく。開講当初のSession1で「基本4品詞」を導入した際に、動詞を意味の面から「状態・変化・行為を表す」とは定義している。しかし、英語の動詞にどのような変化形があって、それぞれの変化形をどのように使い分けるのかを身につけるには、この定義を知るだけでは不十分である。ここで重要なのが、「述語動詞」と「準動詞」および「助動詞」と「(本)動詞」という2つの区別である。このあたりで参考とすべき知見は、必ずしも最新のものではない。むしろ、古いもの*1*2*3のほうが参考になってと言ってよい。その上で、「述語動詞」と「準動詞」の区別は、定形・非定形の対立に求めた。命令文の原形などに例外が生じるものの、「現在」「過去」というテンス(授業では「基本時制」と呼んでいる)を表す動詞が述語動詞であり、主語をとるというのは明快である。さらに動詞の形一覧を表で示し、be, do, haveと、不規則動詞の例としてget、規則動詞の例としてplay、そして法助動詞の例としてwillを挙げた。こうすることで、法助動詞、学校文法で言ういわゆる「助動詞」が現在形と過去形しかもたない特殊な動詞であることが生徒に伝わると考えた。
この次にやるべきこととして、通常、たとえば持田が駿台の授業などで講義するときには、「述語動詞の規則」として、「助動詞+原形」「HAVE+過去分詞」「BE+現在分詞」「BE+過去分詞」という4つの規則を提示している。しかし、「英語S」のStage1は中学英語の復習という位置づけであるから、いきなりこの規則を提示する方法は避けてみた。まずは単独で述語動詞として働く現在形と過去形を導入し、追って進行形や完了形、未来の表現へと導いていけばよいと考えたのである。このため、現在形で-(e)sを付ける場合はどのような場合か、-(e)sや過去形の語形の仕組みをじっくりと提示していくことが可能になった*4

*1:空西哲郎(1954)『動詞』(英文法シリーズ10)研究社

*2:岩井慶光(1956)『助動詞の研究』篠崎書林

*3:浅川照夫・鎌田精三郎(1986)『助動詞』(新英文法選書4)大修館書店

*4:ここで参考にしたのが、次の文献である:大名力(2014)『英語の文字・綴り・発音の仕組み』研究社