英語基礎:Sアカデミー「英語S」の背景(その7)
語順と語形(続き)
前回までは動詞を修飾する語句について述べていた。「前置詞+名詞」が動詞を修飾する場合を分類すると、様態、場所、時、頻度以外のものも当然存在する。これらの語句も分類が可能であるが、『短文で覚える英単語1900』に収録されている例文では分類するほどの数の事例があるわけでもない。そこで「その他の意味の修飾語」と称して例文を示した。これとは別に「前置詞+名詞」が名詞を修飾する場合については項目を改めて扱っている。ここでは「前置詞+名詞」が後ろから名詞を修飾し、日本語とは逆向きになることを確認しておかなければならない。
S+V+Oの次に扱う文型
S+V+Oの次に扱う文型をめぐっては、S+VかS+V+Cかということになるが、今回はS+V+O+Aを扱っている。依然として「7文型」の導入に消極的な教師は多い。「7文型」を導入する場合に生じうる混乱の一つに文型番号の問題がある。これに対する私の解決策は、文型番号を生徒に提示しないことである。仮に文型番号を提示しても、従来の1~5の番号を廃して1~7に振り直さなければならないというわけでもない。例えば、『ジーニアス英和辞典第5版』では、次のように提示している。
この文型を提示する理由としては、義務的副詞句をとる動詞に習熟させたいという意図がある。中学校の教科書などであれば「熟語」として片付けてしまうのもよいかもしれない。しかし高校生を対象とする授業においては、その「熟語」を整理する枠組みを提示しておくほうが記憶が容易になるのではないかと考えている。またベーシック・イングリッシュでこの文型を基本文型としている*2ことも踏まえて判断した。実際の導入の仕方としては動詞の意味による分類を行い、「置く」という意味の動詞、「運ぶ」という意味の動詞、「知らせる」という意味の動詞という3つの動詞群を設定した。これ以外の動詞については例文をまとめて提示し、分類を先送りにした。この辺りの判断は、中学英語の復習の後で扱う予定の『英文法基礎10題ドリル』における「文型」の扱いも参考にした。何でもいきなり精緻に分類すればよいというものでもないところが、教材制作上の悩みどころである。
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