持田哲郎(言語教師@文法能力開発)のブログ

大学受験指導を含む文法教育・言語技術教育について書き綴っています。

『良問でわかる高校英語』「別冊」の別冊(その12)

Chapter 2 動詞と文型(その8)

6.4.に「伝える」という意味の動詞という項目を立てた。これは前回の枠組みで言うと「あげる」の動詞群の下位類となる。この動詞群を独立した項目としたのは、これらの動詞がthat節をとることができるためである。阿部・持田(2005)では特に取り立てなかったが、いわゆる発話動詞としてtalk, speakそしてsayなどと比較しやすいようにといった配慮もある。
6.5.に立てたaskであるが、これは「尋ねる」という意味で用いる場合には目的語の順序を入れ替えることは普通ではないことを踏まえ、語順固定ということと、wh-節がとれることを例文によって示すことにした。語順固定ということで言えば、6.5.も同様である。
動詞のイメージを取り上げる学習書が多い中で本書のS+V+O+Oの扱いはやや軽めのものとなっているが、これは本書が純然たる文法学習書ではなく、あくまでも大学受験向けの問題集としての位置づけに基づく紙幅の制約によるものである。

参考文献

  • 阿部一・持田哲郎(2005)『実践コミュニケーション英文法』三修社